診断後支援ガイド
抗体医薬による医療の中止・終了時
大きな区切りとしてこれからの新しい一歩を支える
不安・喪失感・安堵が入り混じる時期です。
抗体医薬による医療が終わることは、患者さんとご家族にとって、大きな区切りです。
中止・終了は、「支援の終わり」ではありません。新しい生活をよりよく支えるためのスタートラインとしてとらえましょう。
この時期に大切なこと
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中止も終了も
新しい生活の始まりとして
自分をとらえ直す時期 -
中止理由を前向きに
丁寧に共有し、
気持ちを整える -
中止や終了による落胆や
孤立感が増幅されないよう
フォローアップする -
中止であっても
終了であっても
支援の継続性を確保する
情報的支援
治療が終わる、あるいは中止になるとき、患者さんとご家族はしばしば、「これからどうすればいいのか」という不安に直面します。
中止の場合は
次のステップに移行するために、まず、中止の判断を受け入れる支援が必要です。判断の理由を丁寧に説明するとともに、今後の過ごし方やフォローアップについて必要な情報を共有します。
治療が続けられなかったことに対して、自責的になる患者さん・ご家族もいらっしゃいます。「治療を受けたこと自体が大切な選択でした」 ときちんと伝えます。
中止も終了も前向きに
「治療が終わっても相談できる場はあります」という一言が、安心感につながります。また、「次の支援に移る」という前向きな視点を共有します。
つながることの支援
かかりつけ医、認知症疾患医療センター、地域包括支援センター、介護保険サービスなど、次につながる支援先を具体的に紹介し、受診・相談の流れを整理し、利用支援のニーズがあれば応じます。
心理的支援
治療中止で喪失感を抱えることも
大きな覚悟をもって臨んだ治療です。「これまで頑張ってきた意味がなくなった」と感じることもあります。それもまた、人の自然な心理です。
否定せず、気持ちを言葉にしていけるような関わりが大切です。そして、まずはここまでの時間を患者さんとご家族が肯定できるよう伴走します。
中止も終了も、ひとつの区切り
その人にとっての「これからの生活」を一緒に描くことが、心理的再出発を支えます。
支援の空白
「病院から卒業になってしまって不安」「次にどこへ相談すればいいかわからない」など、支援の空白が生じやすい時期です。不安を言葉にできるよう、フォローアップの電話や再診予約、地域の支援機関へのつなぎなどを、意識的に行います。
ご家族の喪失感
ご家族もまた、急に日常生活が変わることに戸惑いを感じることがあります。役割の再定義や、日常の再構築を一緒に考え、「これからの支援の形」を共有することが大切です。
支援のポイント
次の生活に向かって
治療の有無にかかわらず、well-being を支える支援がこれからも続いていく、と伝えることが大切です。不安を抱えながら次の一歩を踏み出す気持ちに、伴走しましょう。
支援から遠ざかってしまうことも
抗体医薬による医療を終了した患者さん・ご家族は、不安を言葉にできないまま、支援から遠ざかってしまうことがあります。「困ったことがあれば、いつでも相談できます」と声をかけるなど、必要時に相談しやすい関係づくりを意識します。支援が切れ目なくつながるよう、地域包括支援センターなど地域の支援機関との連携も検討します。ご家族に対しても、抱えている喪失感を理解し、言葉をかけます。