受診するまで – 東京都健康長寿医療センター 認知症支援推進センター

診断後支援ガイド

受診するまで

患者さんとご家族が「受診してみよう」と思える安心感を育てる

希望と不安で揺れ動く、「はじめの一歩」を支えることが大切です。
受診を考え始めてから決断するまでの時期は、新しい治療への期待と、「本当に治療できるのか」という不安が共存する時期です。
この時期は、安心して相談できる環境づくりがもっとも重要です。

この時期に大切なこと

  1. 不安と期待が入り混じる
    時期であることを
    理解する

  2. 必要な情報が正確に届くよう
    紙媒体での説明や
    対面での説明など
    複数の方法を組み合わせる

  3. 初診前の説明が不十分な場合、
    受診後の落胆や不安に
    つながりやすくなる

  4. 治療を受ける受けないに
    かかわらず医療の入り口への
    「つながりづくり」を
    丁寧に整える

情報的支援

インターネットでの情報収集は負担に感じられることも

紙媒体での説明や、対面での説明など、複数の方法を組み合わせながら、必要な人に、必要な情報が確実に届くよう、配慮します。

ご紹介くださるかかりつけ医の先生へ

MRIの禁忌や、過去の脳画像の微小出血の有無は、治療適応を判断するうえで重要な情報となります。可能な範囲で、ご紹介前にご確認いただけると、大変助かります。

点滴治療であることが十分に伝わっていない場合があります。初診前に一言添えていただけると安心につながります。

MMSE (Mini Mental State Examination) の得点は、実施方法や版の違いで得点が変動します。臨床病期の判断に迷う場合は、適応がある方の選択の可能性を狭めないことを優先し、専門医療機関にご紹介ください。

抗体医薬の適応がないと判断された際の落胆への配慮も必要です。 「診察や検査の結果によって、適応とならないこともある」ことを、事前に共有してください。

心理的支援

新しい治療への期待と不安

「もの忘れが進まなくなるならうれしい」「治療を受けたい」一方で、 「検査が怖い」「診断されたくない」という気持ちを抱えているかもしれません。

治療を受けることへの前向きな気持ちと、病気を受け入れているとはかぎらない

治療を受けたいという前向きな気持ちと戸惑いが同時に存在していることを理解し、患者さんが安心して話せる雰囲気づくりが大切です。

患者さんとご家族には温度差も

どちらが“正しい”ということではなく、それぞれの背景や思いを理解するところから、関係づくりを始めます。

支援のポイント

期待と不安の間で揺れ動く

この時期は、患者さんもご家族も、「期待」と「不安」の間で揺れ動いていることが自然な心理です。一度に多くの情報を理解することは難しいかもしれません。少しずつ・丁寧に・繰り返し伝える姿勢が大切です。

安心できる最初の一歩

「相談してよかったと思っていただける対応」を意識しましょう。情報提供を行う際は、専門用語だけでなく、理解しやすい表現で、患者さんやご家族の理解のペースに合わせた説明を心がけます。不安や疑問を表出しやすい雰囲気づくりも、心理的支援の一部です。「つながりはここで終わらない」という姿勢を示すことが、受診の不安をやわらげることにつながります。抗体医薬の適応の有無に関係なく、必要な支援へつなげる準備を意識しましょう。